ファンが喜ぶ特別なコンサートの世界観を特殊効果で実現します。

コンサートでは、多くのファンがミュージシャンの楽曲に酔いしれます。しかし、ただミュージシャンが曲を演奏し歌うだけでは、満足度の高いコンサートにはなりません。そこで、雰囲気を盛り上げるために、コンサート会場を包み込むほどの大規模な演出が必要です。そのために利用されるのが特殊効果です。ステージでよく使われるのは、煙による演出です。フォグマシンを使ったスモークは、テレビの歌番組などでもおなじみなので、ポピュラーな特殊効果と言えるでしょう。モクモクと湧き出すようにスモークを焚くと、照明の効果を引き立たせるのに役立ちます。

細かい煙を発生させる場合は、フェイザーという機器を使います。細かい煙を大量に作り、ファンを使って流せば煙を広範囲に広げることができますが、この手法は舞台などの演出にも使われる手法です。スモークには、地を這うような煙を演出する、ローフォグという手法もあります。煙の温度を下げることによって、空気より比重を重くして床を覆うようにします。コンサートなどで、よく使われる特殊効果にキャノン砲があります。キャノン砲は、コンサートで曲の終わりなどに、紙吹雪やテープなどを飛び出させる装置です。テレビの歌番組でもよく使われるので、これもおなじみの特殊効果です。

キャノン砲は、空気やガスの圧力で中に詰めたものを飛ばすので、圧力や詰めるものの量を調節することによって、会場の広さに合わせて飛ばすことができます。このほか、コンサート会場で使われる特殊効果には、炎を使った演出もあります。突如ステージから炎の柱が上るような演出は、コンサートでも定番となっています。また、ウォーターキャノンを使って、水をほとばしらせる演出もよく見られます。夏場になると水を使った演出が増えますが、季節に関係なく海をテーマにした曲などでも、水が使われることがあるようです。また、コンサートでは、レーザー光線を使った演出もおなじみです。

レーザー光線と煙を同時に使うと、幻想的な空間演出ができるので、これもコンサートの演出の定番となっています。これらの手法は、単独で用いられることもありますが、いくつかの手法を組み合わせると、複雑な特殊効果を作り出すこともできます。ただし、複雑な特殊効果が続くと観客が飽きてしまうので、単純な特殊効果を基本にして、複雑な特殊効果を織り交ぜるようにするのが一般的です。では、どんな組み合わせを、どの順番に並べればいいのかということを、教えてくれる方程式はどこにもありません。特殊効果はクリエイティブなものなので、熟練スタッフの腕と勘によるところが大きいのです。