バリエーションが豊富な煙幕の演出は特殊効果のプロにおまかせ!
数ある特殊効果の中でも、煙幕は欠かすことのできない存在です。コンサート会場でもスポーツイベントでも、煙幕を使った演出はよく使われます。煙幕を使うと観衆や演者、選手などが一体となって盛り上がります。煙幕によって、その場が幻想的な雰囲気に包まれるので、一体感が生まれるのです。煙幕は太い鉄管を使って、大量の白煙を一気に噴射するタイプが主流です。このタイプの煙幕を使用する際は、消防署の許可が必要になるほど迫力があります。これらの鉄管を使った煙幕は、煙玉とか砲煙とも呼ばれ、むき出しの鉄管が客席からも見えるので、多くの人におなじみの特殊効果装置です。
実際にコンサート会場や試合会場に行かなくても、テレビ中継などでこの鉄管を使った演出を見る機会も多いので、非常にポピュラーな特殊効果と言っていいでしょう。鉄管を使って煙幕を張る場合は、ステージの前に鉄管を並べ、合図とともに一斉に点火して白煙を噴射します。コンサートの際は、楽曲の終わりに紙吹雪などとともに一斉に噴射されるので、ご覧になった方も多いでしょう。
また、大砲筒を使って白煙を噴射すると、大砲を発射するような大きな音がするので、さらにインパクトのある演出ができます。煙幕には火の粉を使って、さらに凝った演出をする場合もあります。たとえば、「ナイアガラ効果」と呼ばれる仕掛けは、大掛かりで迫力満点です。ワイヤーやパイプなどから、火の粉を降らせるナイアガラ効果は、大型になると花火大会にも使われることがあります。ステージの端から端までワイヤーを張り、そこから滝ランスと呼ばれる仕掛けを使って、一斉に火の粉を降らせると、観客席からどよめきが起きるほどの迫力です。
火の粉の材料にはいくつかの種類があり、比較的燃焼温度の低いチタニウムを使用すると、ステージや屋内でも使用可能なので、会場を盛り上げるためのアイテムとしてよく利用されます。煙幕やナイアガラ効果は、単独で使われる場合もありますが、他の特殊効果と組み合わせるとさらに迫力が増します。たとえば、煙幕とレーザー光線を組み合わせたり、紙吹雪をセットにすることによって、高い演出効果が得られます。
特にコンサートなどでは、どの楽曲のどの部分でどのような煙幕を使うか、どんな特殊効果と組み合わせるかによって、効果の違いが出るので演出者の腕の見せ所と言えるでしょう。煙幕を上手に使うことによって、楽曲が生き生きとしてくるので、煙幕は使う人によっては、まるで生きているかのようにステージを華やかにしてくれます。