作り出す霧だから濡れにくい?入場で使われやすい特殊効果とは?
スポーツ観戦の会場入り口での設置、舞台上での演出、また入場シーンなどでたびたび使われる霧ですが、これがどのような仕組みで作られているのかご存知でしょうか?
また、どのような工夫をしながら使用しているのかをご存知でしょうか?
例えば舞台上で霧を出す演出をしたい時、一番心配なのは霧によってステージが滑りやすくなってしまうことです。
そのため、濡れにくい霧を作り出すことや、どのくらいの量を使用するのが適切なのかを考えなくてはいけません。
また、演出上すぐに消えてしまわないように油性の原料を使ったり、反対にすぐ消えて欲しい時には水性を使用したり、演出や会場環境によって考慮する必要が出てくる非常に難しい特殊効果の一つなのです。
霧を出す装置として、フォグマシンというものがあります。
これを使って作り出した霧を氷やドライアイスを使って冷やし、地面の近くで霧がある状態を作り出したり、プラスチックのパイプを使用して穴をあけ、その中に霧を通すことで霧のカーテンを作ったり、会場に霧を拡散したい時には扇風機を使ったり・・・様々な用途があります。
そして今ではあらゆる施設で使われている「ドライミスト」と呼ばれるものがありますが、これこそが正に濡れないミストなのです。
初登場の舞台となったのは、2005年の愛知万博(愛・地球博)。
ドライミストは微細な霧の状態にした水を噴射して局所を冷却するための装置のことですが、冷却目的だけでなく演出の特殊効果として利用される理由としては、触れても濡れた感じがしないからです。
ドライミストの特徴は水の粒子が直径0.016ミリメートルと微細で、水を使用しているのに触れてもひんやりと冷たさを感じるだけで、濡れる心配がないところです。
少量のエネルギーのみで作り出すことができるので、地球環境にも優しくてエコの点でも注目されています。
ドライミストの噴霧装置は、気象条件に応じて自動運転制御も可能となっていて、湿度や気温、日射や風速などのセンサーに基づいて自動的にコントロールすることも出来るのです。
その一方で、コンピュータを使用した遠隔操作も可能となって、あらゆる場面で使いやすいものとなりました。 霧を出すことで場面の切り替わりを表現したり、ホラー系の怖い雰囲気を作り出したり、登場の際のアクセントにしたり、是非濡れない霧を使って楽しい演出を考えてみてください。