格闘技でエキサイティングな試合を演出する特殊効果とは?

格闘技の試合を見ていると、誰でも血沸き肉踊ります。ただでさえ、格闘技の試合はエキサイティングなのですが、特殊効果を使うことによって、さらにヒートアップさせることができます。スポーツの試合を見ていても、日本人は外国人に比べて、エキサイトしにくい国民性があります。海外では、サッカーの試合でさえ、判定をめぐって暴動が起こることがありますが、日本ではそのような騒ぎは起きません。これは日本人の礼儀正しさの表れなので、誇るべきことなのですが、試合を見てもエキサイトしにくいという、マイナス面があるのも事実です。

そこで、日本の格闘技の試合では、外国以上に、エキサイトするための演出が必要かもしれません。では、格闘技の試合で特殊効果を使ってエキサイティングなものにするには、どんな手法を使えばいいのでしょうか。格闘技の場合は、試合が始まったら特殊効果を使うことはできません。そこで、特殊効果を使うとしたら、試合前に選手が入場するシーンに限られます。格闘技の試合は、テレビで中継されるケースが多いので、テレビで見た場合に、エキサイトして見えるような演出が必要です。

そこで考案されたのが、選手が入場する際に煙幕を張ったり、レーザー光線を使って会場の雰囲気を盛り上げる手法です。さらに、入場した選手がリングまで歩く間に、鉄管に仕込んだフォグや、大砲に詰めた紙吹雪などを噴き上げるという、派手な演出が行われます。また、格闘技の種類によっては、入場する選手ごとにテーマ曲が流れるので、ファンが拍手喝采して場内の雰囲気も最高潮に達します。まだ試合が始まっていないのに、観客がひと足先にエキサイトしているのです。このようにして、場内の雰囲気を盛り上げるのが、現在の格闘技の試合における特殊効果の手法です。

これ以上派手な演出をしたいなら、炎を使うしかないでしょう。しかし、大勢の観客の前で本物の炎を使うのは難しいので、薬品を使った疑似炎で代用することになります。疑似炎といっても、鉄管から吹き出す仕掛けはかなりの迫力があります。観客はそれを至近距離で見るのですから、ヒートアップするのは当然でしょう。このように、試合が始まる前から観客を盛り上げるのが、格闘技の特殊効果の技法です。煙やレーザー光線を使って、さらに炎まで加われば、場内がエキサイトしないわけがありません。このようにして、観客の心をつかむことによって、エンターテイメント性の高い試合展開ができるのです。